バター猫の創作ネタ収集の日々

主に小説などに使える創作ネタとアイデアを日常生活や映画、小説などから収集していきます。あとゲーム。

【新生活!】人間関係にも簡単に使える心理学『単純接触』とは?

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バターねこ「やらかした......」

 

ユウ「どうしたの? そんなに落ち込んじゃって」

 

バターねこ「いや、聞いてくれよ。この前人と話すのは笑顔がいいって話したじゃん? アズイフの法則のやつ」

 

ユウ「したわね」

 

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バターねこ「それをさ。実践しようと思ったんだよ。勇気を振り絞って。あの新しいクラスの恒例の自己紹介で」

 

ユウ「あなためちゃくちゃ浮いてたわね」

 

バターねこ「やめろ! 言うな!」

 

ユウ「認めなさい。あなたは浮いてたし、スベってたし、イタかったわ。あと頭が悪い」

 

バターねこ「最後のは関係ないだろ。最後のは」

 

バターねこ「まあでも実際そうだよな。これで俺は見事にスタートダッシュに失敗したわけだ。明るい学園生活は始まる前に終わり、俺の人生には分厚い暗雲が立ちこめる......」

 

ユウ「流石に卑下しすぎじゃないかしら? それにあなたに同情するわけじゃないけど、あの自己紹介の時間は控えめに言って時間の無駄よ。悪しき風潮、とても正気とは思えない。教師は何を考えているのかしら」

 

バターねこ「お前ああいうの嫌いだもんな」

 

ユウ「好き嫌いの話じゃなく、倫理的にどうかという話よ。あんな風に一人ずつ立たせて自分のことを話せだなんて。やってることはほぼ公開処刑や見世物小屋に類する非人道的――」

 

バターねこ「わかったから落ち着いて」

 

ユウ「それで、晴れて見世物デビューしたあなたのことだけど」

 

バターねこ「誰が見世物だ! 見物料とるぞ!」

 

ユウ「同じアホなら踊らにゃ損、よ」

 

バターねこ「フォローになってない! そうじゃなくて、これからなんとか俺の評価を取り戻す感じの助言をください」

 

ユウ「そうならそうと始めから言ってくれればよかったのに」

 

会えば会うほど警戒心はとける。

 

ユウ「『単純接触の原理』という言葉を聞いたことがあるかしら?」

 

バターねこ「タンジュンセッショク?」

 

ユウ「......じゃあ、『熟知性の原理』は?」

 

バターねこ「ジュクチセイ?」

 

ユウ「......」

 

バターねこ「なにそれ?」

 

ユウ「さあ、何だったかしら?」

 

バターねこ「急にめんどくさくなっちゃったよこの人! いや、悪いのは俺だけれども! ここまで来たら教えてよ!」

 

ユウ「はあ、仕方ないわね」

 

ユウ「これらは簡単に言うと『会えば会うほど好感度が上がる』ということよ」

 

バターねこ「そんなギャルゲーみたいなことが!?」

 

ユウ「ギャルゲーみたいかどうかはともかく......人は何度も接触したものに対しての印象が良くなってくるの。警戒心がとけるわけね」

 

バターねこ「なるほど」

 

ユウ「実際CMなんかはこの原理を利用して何度も視聴者の目に触れることで印象を操作しているの」

 

バターねこ「なんか悪いことしてるみたいな言い方やめて」

 

バターねこ「でもそう言われてみるとCMで聞いたことある歌とかは全部耳に残るし、いい曲多いな」

 

ユウ「例えばあなたの家に空き巣が入ったとするでしょう?」

 

バターねこ「うんうん」

 

ユウ「次の日もその次の日も家が荒らされる」

 

バターねこ「いやまあおかしいけどね? そんな何日も空き巣に入られる家。俺の家どんだけセキュリティゆるいんだよ」

 

ユウ「毎日入られてるうちにあなたは空き巣に対して好感をもってしまうの」

 

バターねこ「もたねえよ! 何の話ししてんだ! なんだよ空き巣に対しての好感て! いらねえわそんなもん」

 

ユウ「これが俗に言うストックホルム症候群というやつよ」

 

バターねこ「違うから! それ誘拐犯のやつだから! 今それ関係ないから!」

 

ユウ「まあとにかく始めにつまずいたとしても、毎日根気強く会っていればクラスメイトと話す機会も増えるでしょう? 少しずつでも会話を増やすことであなたという人間をもっと知ってもらうの。そうすれば必ずあなたの印象は変わっていくわ」

 

バターねこ「そうかな?」

 

ユウ「ええ。大事なのは自分の殻に籠もってしまわないことよ。鍵を掛けずにオープンに。そうすれば空き巣だってきっと――」

 

バターねこ「空き巣から離れろよ!」